【超新星爆発】 オリオン座の一等星・ベテルギウスの危機とは<宇宙>
冬の大三角
冬空で最も明るい三つの星々で構成される「冬の大三角」。そのなかでも、右上のベテルギウスを含むオリオン座はその見つけやすい成り立ちから、星座の中でも比較的高い知名度を誇ります。しかし、今、人知れずベテルギウスに大きな危機が迫っているのです…
それは、、、
「爆発」の名の通り、分かりやすく例えるとそれは「星の自爆」。太陽のような恒星の一部は、自らを爆発させることによって、その一生を終えるのです。何ともドラマッチックですね。では、そんな壮絶な最期をおくる恒星の一生を大きく四つに分けて説明しようと思います。
恒星の一生
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星の誕生(赤ん坊)
恒星間に漂うガス(主に水素とヘリウム)が集まり、重力によって中心部の温度が高まると核融合反応(膨大なエネルギーが生まれる)が起こり始め、星が誕生します。
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健康な星(壮年期)
健康な星は水素がヘリウムに変わる核融合反応により燃焼し、太陽もこの状態にあります。一般に重い星ほど寿命が短く、逆に軽い星は細く長く生きることができ、数百億年間もの間光りつづけることができます。太陽の場合の寿命は約100億年といわれており、その余命はあと50億年ほどと言われています。
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赤色巨星(中年太りから一転…)
水素を使い果たすとヘリウムが次のエネルギー源となりますが、なんせヘリウムは重く不安定なため、星の内部はバランスを失ってどんどん膨張し、星の表面温度が下がります。そうなると、次は逆に赤色巨星はガスをどんどんと放出して、やせ衰えていくのです。太陽の場合も地球の軌道を飲み込んでしまうほどに膨れ上がり、ガスの放出によって質量の半分以上が失われるようです。
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星の最後(死)
エネルギーを使い果たすと、恒星の内部は冷えていきます。こうなると星は自分自身の重力のため収縮を始め、その収縮がどこで止まるかはその星の重さで決まります。そして、中でも比較的質量が大きい(重い)恒星は自らの収縮によって生じる圧力に耐えられなくなると、いよいよ爆発を起こるのです。これが、超新星爆発のプロセスです。
ちなみに、そのほかにもいくつかの「死に方」があります。↓
順番が逆になってしまいましたが、主人公のベテルギウスについて深堀りしていこうと思います。
赤色超巨星・ベテルギウス
赤色超巨星に分類にされるベテルギウスは、太陽の約20倍の質量を持っていると言われています。そんな巨大な星の半径は、実に太陽の900倍。もし太陽の代わりに、このベテルギウスが太陽系の中心にあったとしたら、水星から金星、そして地球と火星はすべてのみ込まれてしまうほどの大きさです。
この星はまだ生まれてから1000万年しか経っていなく、星としては比較的若い年齢なのにも関わらず、死の淵に立っていて、これもその巨大な大きさゆえのこと。
ことの発端は、ベテルギウスの光度(明るさ)が去年の10月頃から急速に落ちたことです。もともと、ベテルギウスは「変光星」といって、常に明るくなったり暗くなったりを繰り返していたのだが、今回のは異常だったそうです。
そして、その原因として最もふさわしいものとして、「超新星爆発」が挙げられたのでした。
もし超新星爆発が起きたら、どうなる?
この動画が説明するように、爆発直後から3カ月の期間は、とても明るく、満月の100倍ほどに相当する明るさで輝く可能性があるようです。地球からベテルギウスまでは約600光年(約6兆km)もの果てしない距離がありますが、改めて考えると「太陽系が宇宙からしたらいかに小さな存在か」を痛感しますね。こうなったら、「第二の月」どころではなく「第二の太陽」の呼び名の方が相応しいかもしれません。
また、危惧される爆発の影響だが、幸いにも心配には及ばないようです。爆発の衝撃波は発生こそするけれども、その影響は太陽系までは及ばないらしいです。
まとめ
遅かれ早かれ、ベテルギウスは超新星爆発を起こします。その瞬間を目撃できれば、間違いなくそれは人類にとって初の快挙であり、地球上ではもう二度と観測できないかもしれない、”奇跡”の一時に立ち会うことになります。しかしながら、出来る限りベテルギウスには長生きしてもらいたいものですね。
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